目次
あらすじ
大学三回生の春までの二年間を思い返してみて、実益のあることなど何一つしていないことを断言しておこう。―『太陽の塔』(第十五回日本ファンタジーノベル大賞受賞作)から一年。無意味で楽しい毎日じゃないですか。何が不満なんです?再びトンチキな大学生の妄想が京都の街を駆け巡る。
(「BOOK」データベースより)
印象に残った言葉
「可能性という言葉を無限定に使ってはいけない。我々という存在を規定するのは、我々がもつ可能性ではなく、我々がもつ不可能性である」
「腰の据わっていない秀才よりも、腰の据わっている阿呆のほうが、結局は人生を有意義に過ごすものだよ」
ほんの些細な決断の違いで私の運命は変わる。日々私は無数の決断を繰り返すのだから、無数の異なる運命が生まれる。無数の私が生まれる。無数の四畳半が生まれる。
成就した恋ほど語るに値しないものはない。
感想
やはりこの人の作品は唯一無二。
独特な空気感と世界観に圧倒されます。
何より、言葉遊びが天才的過ぎて…流石以外の言葉が見当たりません。
テンポ良く物語を展開しながらも
要所要所できっちり笑わせてくる。
恐るべし森見節です(笑)
個人的に気になっているのが、作中に出てくる
「もちぐま」です。
「ふわふわ戦隊もちぐまん」です。
なんのことやらですよね(笑)
ぜひぜひぐぐってみてください。
不思議かわいいので(笑)
実際、読みやすいか読みにくいかの話をすれば
読みにくい部類に含まれるかもしれません。
なぜなら、物語がパラレルワールドなので。
ただ、最初は慣れませんでしたが
2章を読んだあたりで順応しました:)
個人的には、「夜は短し歩けよ乙女」よりも癖の強い作品かもなぁ、と感じました。
ただそれが読みにくい癖ではなく、森見ワールドの真髄に近付きつつあるが故の癖なのです。
それゆえに、森見作品の入りとしては2作目・3作目としての方がオススメですね(笑)
アニメ作品もありますので、ご興味ある方はそちらもぜひぜひ:)