こんにちは、みくろです。
今回は、2023-2024年各賞を総なめにした宮島未奈さんのデビュー作、「成瀬は天下を取りにいく」をご紹介いたします。
はじめに
「青春の輝き。その忘れ物を成瀬と探しに行こう」
学生時代に戻りたい。
多くの大人たちが、一度は抱いたことのある感情ではないだろうか。
学校という枠組みや子供という縛りから解放された大人たちが、なぜそれほどまでに学生時代に恋焦がれるのか。
それは、「可能性への挑戦を心から楽しむことができる」という、あの頃にしかない輝きに心を奪われているからだ。
それでは、早速感想を綴っていこうと思います。
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あらすじ
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。
各界から絶賛の声続々、いまだかつてない青春小説!
中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。さらにはM-1に挑み、実験のため坊主頭にし、二百歳まで生きると堂々宣言。今日も全力で我が道を突き進む成瀬から、誰もが目を離せない! 話題沸騰、圧巻のデビュー作。
「新潮社」より
心に響いた言葉
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」
「新潮社」より
「初挑戦はこんなものだと思っていたが、やっぱりお笑いの頂点は遠そうだな。一応出るつもりでいるが、来年になったらもっと別のことをやりたくなっているかもしれない。どちらにせよ、これで一生『M-1グランプリに出たことがある』と言えるようになったな」
「新潮社」より
「大津市民憲章に『あたたかい気持ちで旅の人をむかえましょう』と書かれている。わたしとしても、旅の人をもてなすことができて光栄だ」
「新潮社」より
「わたしが思うに、これまで二百歳まで生きた人がいないのは、ほとんどの人が二百歳まで生きようと思っていないからだと思うんだ。二百歳まで生きようと思う人が増えれば、そのうち一人ぐらいは二百歳まで生きるかもしれない」
「新潮社」より
「島崎は緊張しなくなったのか?」
「そんなことない、今でも緊張するよ。緊張することに慣れただけ」
「新潮社」より
「わたしはずっと、楽しかったよ」
「新潮社」より
感想
成瀬ほど”魅力的“な主人公を僕は知らない。
圧倒的な個性と存在感に、一秒たりとも成瀬から目を離すことができないのだ。
念の為言っておくが、決して他作品の主人公が魅力的でないということではない。
“魅力的“という言葉に誰よりも当てはまるのが成瀬だった。
一度彼女に出会ってみたら、僕の言っている意味がきっと分かるだろう。
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成瀬は、ごく一般的な女子中学生…とは一味違う。
- 閉店を迎える西武大津店に毎日通い、テレビ中継に映る
- お笑い芸人の大会、M-1グランプリに出場する
- 高校入学と同時に丸刈りにし、3年間で髪がどこまで伸びるのか実験する
これは一例にすぎない。誤解を恐れずに言えば、成瀬は少し変わっている。
それでいて、勉強も運動も、何をやらせても抜群の才能を発揮するのだ。
想像できた方もいるかもしれないが、やはりそんな成瀬から距離を置く人は多い。
ただ、成瀬は一切気にしない。
成瀬はどんな時も、自らの掲げた目標に向かい、とにかく真剣に取り組む。
多くの人に受け入れられないかもしれないけれど、自分の軸をしっかり持って行動し続ける成瀬の姿に心が震える。
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だからこそ、そんな彼女に魅せられた素敵な友人もいる。
その一人が、島崎。成瀬の唯一無二の親友だ。
島崎だけは成瀬を決して特異な目で見ない…というよりは、面白がっている。
「成瀬は次にどんなことをしてくれるのだろう」
うん、そんな感じだ。
もちろん、成瀬の突飛なアイデアに巻き込まれることもあるのだが、それすらも諦めと楽しみで受け入れているのだ。
そんな島崎を見ていると、「本当に成瀬のことが大好きなんだなぁ」と、心がほっこり温かくなる。
心から信頼できる友人の存在は、間違いなく人生を輝かせてくれる。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここでは触れていませんが、そんな成瀬が”ある出来事でとても動揺するシーン“があります。
前述のような成瀬からは、想像ができないことでしょう。
だからこそ、このシーンを見た瞬間、もっと成瀬が大好きになるのです。
真相はぜひ本書を手に取ってお読みください。
お読みいただきありがとうございました^^
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