あらすじ
まほろ市は東京都南西部最大の町。駅前で便利屋を営む多田と、居候になって丸二年がたつ行天。四歳の女の子「はる」を預かることになった二人は、無農薬野菜を生産販売する謎の団体の沢村、まほろの裏社会を仕切る星、おなじみの岡老人たちにより、前代未聞の大騒動に巻き込まれる!まほろシリーズ完結篇。
(「BOOK」データベースより)
印象に残った言葉
「怖いもんなんかあるのか?」
「あるよ。記憶」
死者とは二度と語りあえず、触れあえず、なにかをしてあげることもされることもない。そんな死の残酷さに抗い、死者を単なる死者にしないための、たぶんただひとつの方法。生きているものが、記憶しつづけること。
「実践なくして、どうやって経験を積むんです」
「『信じる』って気持ちは、だれでも持ってる。だから扱いが難しくて、厄介なんだ」
「大事なのはさ、正気でいるってことだ。おかしいと思ったら引きずられず、期待しすぎず、常に自分の正気を疑うってことだ」
「正しいと感じることをする。でも、正しいと感じる自分が本当に正しいのか疑う」
「なにを信じようと信じまいと、本人の自由だ。問題は、だれかを傷つけるに値するほどの信念なんて存在するのかってことだろう」
死でさえも完全には奪い去れないなにかを、あらゆる生き物がそれぞれに抱えている。だからこそ、あらゆる生き物は生まれたらできるかぎり生きようとする。つながりあおうとする。死という残酷さに対抗するために、命はむなしく生きて死んでいくだけのものではないと証明するために。
感想
まほろ駅前シリーズ第3弾。
今シリーズの完結編となります。
やばかった。
これはやばかった。
1作目・2作目は、この3作目を読ませるための布石じゃないですか…!!!
おもしろすぎました…!!!
行天の隠された過去と、仕事で預かった4歳の女の子「はる」。
はるとの生活で再生していく行天の姿は、なんとも心を震わせられました。
本当に良かった…!!!
まほろ駅前のキャラクターも一人一人クセがあり、
完結編の今作でも全員が主役級の輝きでした:)
【3作あってのまほろ駅前シリーズ】
「終わらないでくれ」と思いながらも、ページをめくる手が止まらない。
そんな名作をぜひぜひ読んでみてください:)