こんにちは、みくろです。
読書を始めたいけれど、何から読めばいいのかなぁ…
年間読書量100冊の私がこれまで読んできた書籍の中で、
「特に印象に残った!」
「抜群に面白い!」
といった作品をジャンル問わずにご紹介させて頂きます。
作品の中には、「心に残るワンフレーズ」というものが必ずあります。
そういった部分も含めて作品への愛を語らせて頂きますので、
気になった作品がありましたら、是非一度お試しください:)
それでは、はじまりはじまり。。
陽気なギャングが地球を回す / 伊坂幸太郎
私が読書にハマったきっかけの作品です!
中学生の頃、書店でふと手に取り購入したこの作品が全ての始まりでした。
●嘘を見抜く名人
●天才スリ
●演説の達人
●精確な体内時計を持つ女
個性溢れる4人が銀行強盗を企み、見事成功!…が、逃走中にまさかの展開!
盗んだ金が別の強盗に奪われるという事態に陥る!
様々な登場人物視点で描かれるストーリーに、張り巡らされた伏線、
そして最後の最後で点と点が線になり、一気に回収されていく伏線と
解き明かされていく秘密の爽快感がたまりません!
何より、メインの4人の掛け合いが本当におもしろい!
文字を読みながらここまでクスッと笑える作品はそうないです(笑)
『感じたこと全部をわざわざ口に出す必要はないんだよ。誰もが心の中で思っているだけならば、世界は平和だ』
ちなみに、この陽気なギャングシリーズは全3作となっています(2021年1月時点)
1作目 ➡ ”陽気なギャングが地球を回す“
2作目 ➡ ”陽気なギャングの日常と襲撃“
3作目 ➡ ”陽気なギャングは三つ数えろ“
2.3作目もひたすらに面白さが加速していきます!
まとまらない気しかしないので、そちらはまた別記事にてご紹介させて頂きますね!
本日は、お日柄もよく / 原田マハ
“良かった”なんてものではないです…“最高 of 最高“なんです!
【言葉の力】に励まされてきたのが私の人生。
だからこそ、いつも言葉を大切に紡ごうと考えています。
これがなかなか難しいんですがね(笑)
この作品はまさに、【言霊(言葉の力)】をテーマにしています。
主人公のOL二ノ宮こと葉は、想いを寄せていた幼馴染の結婚式に列席、
そこで伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞に衝撃を受けます。
すぐに久遠に弟子入りした二ノ宮は、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターと
なり、今まで知らなかった世界と感情に出会って成長していきます。
名言だらけの作品ですが、その中でも一部だけ抜粋してご紹介:)
「わかってないのねえ。言葉は、メッセージカードのようなものよ」
一枚一枚に、自分の思いを書きつける。とっておくもよし、日々眺めるもよし。必要なくなれば、破っても燃やしてもいい。死ぬまでずっと、心にしまっておいてもいい。
でも、誰かの目に、耳に触れれば、なおいいだろう。誰かに伝えられれば、なおすばらしいだろう。思いを共有できることもあるかもしれない。心と心を、響き合わせることもできるかもしれない。
言葉の力を、あなたも信じてみたらどう?
言葉っていうのは、魔物だ。人を傷つけも、励ましもする。
「誰にだって『初めて』はある」
「初めて挑戦するからには不安なことも多いだろう。けれど、初めてだからこそ、真摯に向かい合えることもある。初心忘るべからず、とはそういうことなんだ」
「困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している」
「ほんとうに弱っている人には、誰かがただそばにいて抱きしめるだけで、幾千の言葉の代わりになる。そして、ほんとうに歩き出そうとしている人には、誰かにかけてもらった言葉が何よりの励みになるんだな、って」
私は手記の読書ノートを基に記事を作成しているのですが、
こちらの打ち込みをしているだけで作品の素晴らしさを思い出して、鳥肌が立ちました。
「今まさに壁にぶつかっていて、前を向くきっかけが欲しい」
そんな方に自信をもってオススメできる作品です!
【圧倒的な言葉の力】をぜひお楽しみください!
ボックス! / 百田尚樹
【天才 vs 努力家】
いじめられっ子だった木樽が、ボクシングの天才・鏑矢に誘われ
グローブに手を通します。
ボクシングの過酷さ、厳しさを感じると共に、その面白さに深くハマっていきます。
高校ボクシング界最強の男・稲村に挑む鏑矢。
そして、その背中を負う木樽は…。
あのですね…この作品に関してはもう名作以外の何物でもないです。
文字を追いかけるだけで目の前にリングが現れて、
本当にボクシングの試合を観ているかのような感覚に陥ります。
読書をしながらここまで息をのんだり興奮したり、
はたまたため息をつくような作品を、これ以外に私は知りません。
●鏑矢 vs 木樽
●木樽 vs 稲村
●鏑矢 vs 稲村
この3つの決戦の臨場感は半端じゃないです。
木樽の愚直なまでのボクシングに対する努力は目を見張るものがありましたが、
それよりも鏑矢。
彼の己との葛藤の果てに辿り着いた、彼の真のボクシングには感動すら覚えました。
…すみません。興奮して書きすぎてしまいました(笑)
とにかくとんでもない本です。とんでもない作品です。
私の言葉では表現したところで到底足りないほどに。
印象に残った一説を少しだけご紹介して、ここはおしまいにします
(じゃないと終われない終わらない(笑))
読んで後悔はさせません。
ぜひとも…!!!
『自分よりも優れた人を素直に認めて、それに近付くように努力する心って、とても大事なものやと思う。それって青春時代にしかない心やと思う』
『人間は恐怖心を克服出来るんです』
『でも、さっき生存本能に基づくってーーー』
『そこが人間のすごいところです。野性的な本能を意志の力で克服することが出来るのです。そこが同じ高等生物でも人間と動物の決定的に違うところなんです。もっともそういうことがやれるのは、本当に強い精神力を持った男ですけど』
『どうやって克服するんでしょう?』
『さあ、それは個人個人それぞれでしょう』
『自己暗示とか自己催眠によるマインドコントロールのようなアプローチもあるでしょうし、恐怖心を取り除くために肉体を徹底して鍛え抜くというフィジカルなアプローチもあるでしょう。しかしいったん心に取り憑いた恐怖心を取り除くのは並大抵のことではありません。しかし、人間にはそれをやれる力があるんです』
『スポーツの世界では、素直なことが伸びる条件です。監督やコーチに言われた通りに同じことを馬鹿みたいに繰り返す。そんな奴が最終的には伸びます。どんな世界でもそうですが、才能だけで勝ち上がっていけるのは初めのうちだけです。本当に天下を取るのは、牛や馬みたいに黙々とやり続けることのできる奴です』
『パンチは恐ろしいものや。しかし怖がってては勝てへん。かと言うて全然怖がらへんような奴もあかん。大事なんは、怖さを知った上で、その怖さを克服して戦うことや』
『本当の天才って、努力を努力と思わないのよ』
風が強く吹いている / 三浦しをん
【正月の風物詩、箱根駅伝を題材にした青春小説】
●走りの天才
●古傷を持つ主将
●8人の素人
同じ屋根の下に暮らし、同じ釜の飯を食べる10人が目指すは
駅伝の花形「箱根駅伝」。
主将ハイジの突然の提案で、寮の住民全員を巻き込んで始めたトレーニング。
それは過酷ではあったが、一人一人の特性をしっかりと見た上で行われており、
最初は乗り気でなかったり、遊び半分だった選手たちの心持ちも徐々に変化していきます。
『いいか、過去や評判が走るんじゃない。いまのきみ自身が走るんだ。惑わされるな。振り向くな。もっと強くなれ』
『長距離選手に対する、一番の褒め言葉がなにかわかるか』
『速い、ですか?』
『いいや。『強い』だよ』
走る姿がこんなにうつくしいなんて、知らなかった。これはなんて原始的で、孤独なスポーツなんだろう。だれも彼らを支えることはできない。まわりにどれだけ観客がいても、一緒に練習したチームメイトがいても、あのひとたちはいま、たった一人で、体の機能を全部使って走りつづけている。
届かなかったと感じるかぎりは、無限に「次」があるのだ。
駅伝は一人でも欠けたら成り立たない。求められていることを実感できるし、遠慮とプライドもかなぐり捨てて、支え合うことができる。だけど走るあいだは一人だから、他人の思惑や人間関係のしがらみから解き放たれて、自分の心と向き合えもする。
走りとは力だ。スピードではなく、一人のままでだれかとつながれる強さだ。
普通に考えれば、冷静に考えれば、このストーリーはあり得ませんし、
不可能なことなのかもしれません。
しかし、それが分かっていたとしても、
この作品には読者を引き込む魅力がそこかしこに詰まっています。
特に物語の後半。
箱根駅伝の本番を描いた部分は、走っている選手一人一人に細かくスポットをあて、
その人物の過去や現在、そして駅伝や仲間への想いが事細かに綴られています。
その表現力の豊かさに、とても涙なしに読み進めることはできませんでした。
ちなみにこの作品は、三浦しをんさんご本人が大学の陸上部に取材を申し込み、
早朝練習や合宿、予選会や記録会にも同行、そして箱根にも足を運び、
構想執筆合わせて6年の歳月をかけて生み出された作品だそうです。
全てのスポーツ好きに。
熱さを忘れてしまった大人たちに。
友情とは何なのかを探し求める人たちに。
どんな人にも自信をもってオススメできる、とんでもない作品です!
スロウハイツの神様 / 辻村深月
【人気作家チヨダ・コーキの作品で人が死んだーーーあの事件から10年】
表紙の素敵さと直感のみで購入し、まさに大当たりだった作品です。
辻村深月さんの別作品、「ハケンアニメ」と同じように、
何かを創り出す人たちの話。
なぜ今の今まで、辻村さんの魅力に気付かなかったのか不思議でなりません。
チヨダ・コーキ…いや、コウちゃんにしてやられました。
ありとあらゆる伏線が気持ちが良いくらいに回収され、
予想もしていなかった繋がりの連続二度に度肝を抜かれました。
もう下巻の中盤くらいからは自然と涙があふれてきて、
読み終わった時に
「なんて優しい物語なんだろう…」
と心の底から思えたそんな作品。
口に出せないくらい好き、とか。簡単に名前が出せないくらい大事、とか。そういったことが人間にはある。
『きちんと生きてる他人とぶつかれ』
『人間は弱い生き物です。優越感に浸りたい、誰かのせいにしたい。人間同士が一番盛り上がる話題って、誰か共通の敵の悪口だっていうし』
『いいことも悪いことも、ずっとは続かないんです。いつか、終わりが来て、それが来ない場合には、きっと形が変容していく。悪いことがそうな分、その見返りとしていいことの方もそうでなければ摂理に反するし、何より続き続けることは、必ずしもいいことばかりではない。望むと望まざるとにかかわらず、絶対にそうなるんです。僕、結構知ってます』
人間の行動の真意なんて、所詮は受け取る側の気持ち一つによる。そしてそれはきっと、どれもがどれもそれぞれに正しい。
『かっこつけたいっていう考え方は、それを見ている誰かの目線なしにはあり得ない。』
『世界と繋がりたいなら、自分の力でそれを実現させなさい』
『まぁ、なんていうか。あらゆる物語のテーマは結局愛だよね』
『お久しぶりです』
みんながみんなを大好きなんだ。
愛しているんだ。
友達のことも。
作品のことも。
こんなに「終わらないでくれ」と願って読み進めた作品は初めてです。
「お久しぶりです」
今作品のキーワード。
読み終わった瞬間、このたった一言に込められた想いの深さに間違いなく心震えます。
名作。間違いなく名作です。
ぜひとも一度手に取って頂きたいです:)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、5作品紹介させて頂きましたが、選ぶのが難しすぎました(笑)
…ですので、第2弾もきっとやります。
これはまだ序章ということにしておいてください(笑)
作品の中のフレーズだけを見て、心が求めるものを探す。
そんな本の選び方があってもいいかもしれません。
かくいう私も、書店では気になった本を飛ばし読みして、
印象に残る言葉があるかないかを購入の決め手にしています。
しかし、この記事は書いていて本当に楽しかったなぁ:)
コロナ渦でステイホームの時間が長くなっている昨今、
これが皆さんの読書の入り口になってくれたら嬉しい限りです:)