【縁っていうのはさ、種みたいなもんなんだよ】月曜日の抹茶カフェ / 青山美智子【あらすじ・書評】

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読書記録
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こんにちは、みくろです。

今回は、青山美智子さんの人気作「木曜日にはココアを」の続編、「月曜日の抹茶カフェ」をご紹介いたします。

この記事はこんな方にオススメ
  • 縁で結ばれる奇跡”の存在を確かめたい
  • 人生の壁を乗り越えていく人の強さと優しさを見てみたい
  • 無類の抹茶好き

はじめに

【人と人が繋がり、織りなす優しい物語】

人生において、巡り合える人の数は限られています。

でも、たとえ巡り合えなかったとしても、“自分が行った何かが、巡り合えなかった誰かを幸せにしていたとしたら?”

そんなことありえない…なんてことはないんです。

さぁ、そんな奇跡のような物語の感想を綴っていきましょう。

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あらすじ

川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。

その「マーブル・カフェ」が定休日の月曜日に、1度だけ「抹茶カフェ」を開くことに。

ツイていない携帯ショップ店員と愛想のない茶問屋の若旦那、妻を怒らせてしまった夫とランジェリーショップのデザイナー兼店主、恋人に別れを告げたばかりのシンガーと実家の祖母と折り合いが悪い紙芝居師、時代に取り残されたと感じている京都老舗和菓子屋の元女将と自分の名字と同じ名前の京菓子を買いにきたサラリーマン……。

この縁は、きっと宝物になる――。

人は知らず知らずのうちに、誰かの背中を押していることに気づく、

一杯の抹茶から始まる、東京と京都をつなぐ12ヵ月の心癒やされるストーリー。

宝島社より

心に響いた言葉

「人でも物でも、一度でも出会ったらご縁があったってことだ。縁っていうのはさ、種みたいなもんなんだよ。小さくても地味でも、育っていくとあでやかな花が咲いたりうまい実がなったりするんだ。種のときは想像もつかないような」

宝島社「月曜日の抹茶カフェ」より

「運、ぜんぜん悪くないですよ。あんなにも熱く語れるほど好きなことを仕事にしてるって、それだけですごいラッキーじゃないですか。あなたに大切に愛してもらえて、スマホも幸せやと思います」

宝島社「月曜日の抹茶カフェ」より

また会いたいって思うなら、そうなるように行動すればいい。ここに来られた私はきっとご縁の種を受け取ったのだ。育てられるよう、がんばってみればいい。

宝島社「月曜日の抹茶カフェ」より

「思い出って、流れ流れゆく時間を留めておくピンのようなものかもしれませんね。だけど留める場所は人それぞれだから、ピンの位置がちょっとずれちゃったりもするんですよ」

宝島社「月曜日の抹茶カフェ」より

痛みを覚えることは、痛くないようにする方法を覚えることと等しかった。

宝島社「月曜日の抹茶カフェ」より

そこに「ある」と知ってもらうこと。

それがいかに大切か、私は身に沁みて実感した。いくら一生懸命に良いものを作っても、気づかれなければ「ない」のと同じなのだ。

宝島社「月曜日の抹茶カフェ」より

「卒業って、次のステージに行っておしまいじゃなくて、ここまでがんばってきたことをたどって自分で自分を認めたり、支えてくれた人たちにあらためて感謝したりの節目ってことでもあるんだわ」

宝島社「月曜日の抹茶カフェ」より

「あっちしか見てないからやろ?体の向きを変えたら世界が一転するで」

宝島社「月曜日の抹茶カフェ」より

「俺は思うんだけど、望み通り想定したままのことを手に入れたとしても、それだけじゃ夢が叶ったとは言えないんだよ。そんなふうに、どんどん自分の予想を超えた展開になって、それをちゃんとモノにしていくっていうのが、本当に夢を実現するってことなんじゃないかな」

宝島社「月曜日の抹茶カフェ」より

「そうなんだよ、わからないだろ?でも確実にいるんだ。さかのぼっていくと、繋がっている手がどこまでも無数に増えていくんだ。どの手がひとつでも離れていたら、ここにはたどりつけなかった。どんな出会いも、顔もわからない人たちが脈々と繋いできた手と手の先なんだよ」

「でも一番素晴らしいのは、遠いところで手を繋いできた人たちが、自分がどこかで誰かを幸せにしてるかもしれないなんてまったくわかってないことだね。それがいいんだ。自分の身の回りのことに取り組んだ産物が、あずかり知らぬ他人を動かしたってことが」

宝島社「月曜日の抹茶カフェ」より

「縁って、実はとても脆弱なものだと思うんです。どちらかが一度でもぞんざいな扱いをしたら、あっけなくちぎれてしまうぐらいに。ひとつひとつ交わす言葉や、わずかでも顔を合わせる時間や、相手へのそのつどの思いやりや・・・丹識込めて手をかけて、続いていくものなんですよ。こんなに遠く離れた、国籍や母国語の違う私たちを長い間繋げてくれているのは、この一枚一枚の膨大な積み重ねなんだと思います」

宝島社「月曜日の抹茶カフェ」より

感想

過去から現在、現在から未来へ。

連綿と紡がれてきた人の歴史。

僕たちは、父や母、おじいちゃんやおばあちゃんから命のバトンを受け取って、今ここに存在しています。

一言で言えば、奇跡みたいなもの。

だって、父と母が出会わなければ、おじいちゃんとおばあちゃんが出会わなければ、自分はここにいないのですから。

今作、「月曜日の抹茶カフェ」は、そんな人と人が繋がる奇跡を描いた物語。

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まず、登場人物全員が愛おしい。

それぞれの個性と存在感が唯一無二であり、その誰しもが何かしらの悩みを持っています。

悩みは捉え方一つで悩みでなくなるのですが、根本的に悩みはあるということ。

でも、悩みのない人間なんて、カレー粉の入っていないカレーみたいなもので。

人生は楽しいことが多いに越したことはないですが、悩みやハプニングみたいなスパイス要素があった方が、きっと人生という一皿の深みは増すのではないかなぁと。

そんな身近にいるような登場人物たちだからこそ、この物語は心に響くのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今作は「木曜日にはココアを」の続編でもある為、前作との繋がりが随所に見られ、懐かしさとワクワクが止まりません。

これも「繋がり」なのでしょう。

地球の裏側で起こした蝶の羽ばたきが、少しずつ大きくなって台風となる。

それを人は「バタフライエフェクト」と呼びます。

その理屈で言えば、どこかで誰かが施した小さな優しさは、きっとどこかで大きな優しさとなって誰かを救っている。

そう考えたら、自分も誰かに、何かに優しくしてみたくなりませんか?

それでいいんです。

そんな崇高な理由もなく始めたとしても、優しさの種を蒔いたという事実は変わらないのですから。

「自分がもらった優しさは、誰かが蒔いた優しさの種のおかげかもしれない」

そんな気持ちで日々を過ごせたら、きっとあなたの人生はまた輝き始めることでしょう。

ご一読いただきありがとうございました^^

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